第3回 土地の「質の変更」とは?地目が農地や山林でも開発許可が不要なケースを解説
これまで、
について解説してきました。
今回は、開発許可の三大要件の最後となる**「質の変更」**について解説します。
「質の変更」は、一見すると難しい言葉ですが、簡単に言えば土地の用途を変えることをいいます。
例えば、
- 農地を宅地造成にする
- 山林を共同住宅用地にする
- 雑種地を店舗用地にする
といったように、宅地以外の土地を建築物の敷地や特定工作物の用地として利用することが「質の変更」に該当します。
「宅地以外の土地」だからといって、すべて質の変更になるわけではありません
実は、「宅地以外の土地」という判断は、登記簿の地目だけで決まるわけではありません。
例えば、登記簿の地目が「畑」のままでも、何年も前から住宅が建っている土地を見かけることがあります。
このような土地は、必ずしも質の変更に該当するとは限りません。
神奈川県では、次のような土地は「宅地」として取り扱われるため、原則として質の変更には該当しません。
① 現在、建築物が建っている土地
現に適法な建築物が建っている土地は、登記地目に関係なく宅地として扱われます。
※仮設建築物や違反建築物は除かれます。
② 登記簿の地目が5年以上前から「宅地」の土地
現況が宅地以外の土地(駐車場や更地)であっても、土地登記事項証明書の地目が、5年以上前から宅地となっており、現在も農地や山林として利用されていない土地は、宅地として取り扱われます。
③ 固定資産税の課税地目が5年以上前から宅地の土地
地目が宅地以外であっても、固定資産課税台帳の課税地目が5年以上前から宅地となっている土地も、現在農地や山林として利用されていなければ宅地として扱われます。
④ 以前建物が建っていた土地
地目が宅地以外であって、過去に建築物の敷地として利用されていた土地で、現在も農地や山林として利用されていない土地は、宅地として扱われます。
ただし、建物を取り壊してから5年以上経過している場合は、この取扱いを受けられない場合があります。
⑤ 過去に宅地造成された土地
次のような法令に基づいて造成された土地も、宅地として取り扱われます。
- 都市計画法による開発許可を受けて造成された土地
- 旧住宅地造成事業法による造成地
- 土地区画整理事業による土地
- 都市計画法第29条第1項各号に該当する造成地
- 建築基準法による道路位置指定と一体で造成された土地
これらは、現在未利用地や緑地となっている場合を除き、質の変更には該当しません。
登記簿だけでは判断できません
「登記簿の地目が畑だから開発許可が必要」
「山林だから質の変更になる」
このように考えられる方は非常に多いですが、実際には登記地目だけで判断することはできません。
現在の利用状況や建築履歴、固定資産税の課税地目、過去の造成履歴などを総合的に確認して判断する必要があります。
そのため、一見すると農地や山林に見える土地でも、質の変更に該当しないケースは少なくありません。
まとめ
質の変更とは、宅地以外の土地を建築物の敷地や特定工作物の用地へ変更することをいいます。
しかし、「宅地以外」の判断は非常に複雑で、
- 建物が建っている土地
- 登記簿や固定資産税の地目が長年宅地となっている土地
- 過去に建物が建っていた土地
- 開発許可などを受けて造成された土地
などは、宅地として取り扱われ、質の変更に該当しない場合があります。
つまり、登記簿の地目だけでは開発許可が必要かどうかは判断できません。
土地の履歴や現在の利用状況を確認することで、開発許可が不要となるケースも多くあります。
当事務所では、土地の登記簿や公図、航空写真、造成履歴などを確認し、質の変更に該当するかどうかを判断しております。
「この土地でも開発できるの?」「農地だけど許可は必要?」など、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

