第2回 土地の「形の変更」とは?開発許可が必要になる造成工事を解説

前回は、開発許可が必要となる要件の一つである「区画の変更」について解説しました。

今回は、もう一つの重要な判断基準である**「形の変更」**について解説します。

土地の形の変更とは、簡単に言えば切土や盛土によって土地の地形を変える造成工事のことです。

神奈川県では、この「形の変更」の基準は、盛土規制法の許可基準とほぼ同じとなっています。

そのため、盛土規制法の許可が必要となるような造成工事は、500㎡越えの事業区域であれば開発許可に該当するケースが多くあります。

  【出展:神奈川県HP】

この基準に該当する造成工事を行う場合は、開発許可の対象となります。

ただし、すべての切土・盛土が対象ではありません

切土や盛土を行うからといって、すべてが「形の変更」に該当するわけではありません。

神奈川県では、一定の場合には形の変更から除外される取扱いがあります。

① 切土・盛土が30cm以下の場合

神奈川県では、市街化区域などにおいて、造成区域全体の切土・盛土が30cm以下であれば、たとえ造成面積が500㎡以上であっても形の変更には該当しません。

つまり、大規模な造成であっても、地盤を30cm以内で調整する程度であれば、原則として開発許可は不要となります。

一方で、市街化調整区域では取扱いが異なります。

市街化調整区域では、造成区域内に30cmを超える切土または盛土が1か所でもあれば、形の変更に該当します。

そのため、市街化区域では問題にならない造成計画でも、市街化調整区域では開発許可が必要になることがあります。

この違いは実務上非常に重要なポイントです。

② 建物の基礎工事

建築物の建築と不可分な一体工事と認められる基礎掘削や埋戻しなどは、形の変更には含まれません。

そのため、建物の基礎部分の切土・盛土は、原則として造成工事として扱われません。

ただし、建物周囲まで大規模に造成する場合は対象となることがあるため注意が必要です。

③ 道路後退(セットバック)

建築基準法第42条第2項道路によるセットバックや、まちづくり条例等による道路後退部分の造成は、形の変更から除外されます。

道路後退のために行う地盤調整のみであれば、原則として形の変更には該当しません。

④ 道路からのアプローチ

道路から敷地へ出入りするためのスロープや階段、駐車場の設置については、

  • 高さ2m以下
  • 幅6m以下

の範囲であれば、形の変更から除外されます。

新たに車両の出入口を設ける際によく利用される規定です。

⑤ 既存擁壁の造り替え

既存擁壁を同じ位置で造り替えるだけであれば、形の変更には該当しません。

一方で、擁壁を前後に移動したり、高さや位置を変更したりする場合は、新たな造成工事として判断される可能性があります。

数十センチ程度の位置変更でも取扱いが変わる場合があるため、事前に行政へ確認することをおすすめします。

まとめ

「形の変更」は、切土や盛土を伴う造成工事が対象となりますが、すべての切土・盛土が開発許可の対象になるわけではありません。

特に神奈川県では、

  • 市街化区域などでは30cm以下の造成は原則対象外
  • 市街化調整区域では30cmを超える切土・盛土が1か所でもあると対象となる可能性がある
  • 建物の基礎工事やセットバック、一定規模以下のアプローチ、既存擁壁の造り替えは除外される

といった重要なルールがあります。

実際の造成計画では、切土・盛土の高さだけではなく、造成範囲や工事内容、土地が市街化区域なのか市街化調整区域なのかによって判断が変わります。

開発許可が必要かどうか判断に迷われた場合は、お気軽にご相談ください。

次回は、開発許可の三大要件の最後となる**「質の変更」**について解説します。

第3回 土地の「質の変更」とは?地目が農地や山林でも開発許可が不要なケースを解説