開発許可の取得の流れをわかりやすく解説|実は“申請前”が一番大変です
開発許可というと、
「書類を出して許可をもらうだけ」と思われがちですが
👉 実際は事前調整と協議がほぼ全工程です。
むしろ申請書を出すまでが一番大変。
この記事では、
開発許可取得までのリアルな流れを実務目線で解説します。
目次
開発許可取得までの全体フロー
大まかな流れは次のとおりです。(一般的な市町村の流れ)
1️⃣ 事前相談(開発許可に該当するかの確認)
2️⃣ まちづくり条例の標識設置・近隣説明
3️⃣ 近隣説明結果の報告
4️⃣ 担当課との協議(開発+条例)
5️⃣ 道路・下水道関係の自費工事申請
6️⃣ 協議締結
7️⃣ 本申請
8️⃣ 開発許可
👉 この間に設計変更が何度も入ります。
① まずは事前相談|そもそも開発にかかるかを確認
最初に行うのが、
📌 開発に該当するかどうかの事前相談
ここで、
- 面積要件(500㎡)
- 区画形質変更の有無
- 接道の取り方
などを整理し、
👉 開発許可が必要かを公式に確認します。
この段階で方向性を誤ると(開発許可にかけたくなかった等の)
後工程がすべて崩れます。
② 同時進行で行うまちづくり条例の手続き
開発に該当する場合、ほぼ必ず必要になるのが、
🪧 まちづくり条例の標識設置
📢 近隣住民への説明
計画内容を現地掲示し、
周辺住民へ説明会の開催又は個別説明にて計画を説明します。
③ 近隣説明結果を市へ報告
説明後は、
📄 説明実施報告書
📸 標識写真
📑 意見の有無の整理
などをまとめて市へ提出。
👉 ここが完了しないと協議に進めません。(市町村により、協議と同時進行のケースの有)
④ 担当課との協議(ここが一番大変)
ここからが本番です。
公共施設(道路や下水)管理者や、条例協議担当課と
🏗 開発内容
🏘 まちづくり条例内容
を同時に協議していきます。
実務ではほぼ確実に、
「ここ直して」
「道路の側溝を整備して」
「排水ルート変えて」
「擁壁構造変えて」
など、次々と修正指示が入ります。
👉 正直、好き勝手言われます(経験談)
⑤ 道路・下水は別途“自費工事申請”が必要
開発道路や接続工事がある場合は、
🚧 道路自費工事申請
🚰 道路占用許可申請
🚿 下水道自費工事申請
などを並行して進めます。
👉 開発協議と同時進行になるため管理が非常に大変(市町村によっては開発許可後の申請となるケースがあります)
⑥ 協議がまとまったら「協議締結」
すべての条件が整うと、
📑 協議書(覚書等)を締結
ここで初めて、
「この内容で申請してOK」
という状態になります。
⑦ ようやく本申請
ここで初めて、
📂 大量の申請書類
📐 設計図書一式
📄 各種同意書や許可書
をそろえて正式申請します。
👉 ファイルが分厚くなるのが普通です。
⑧ 審査を経て開発許可
審査が完了すると、
📜 開発許可通知
が交付されます。
ここまで来てやっとスタートラインです。
開発許可は「手続き」だけできても通りません
ここが一番重要なポイントです。
開発許可は、
❌ 書類作成スキルだけでは無理
⭕ 土木設計・排水・道路構造・擁壁設計(構造計算含む)の知識が必須です。
設計が甘いと、
・協議が終わらない
・是正地獄
・申請すら受理されない
ということも普通に起きます。
必要書類はとにかく多い
代表的なものだけでも、
- 開発許可申請書
- 設計説明書
- 施行同意書
- 申請者・施工者の資力信用に関する申告書
- 設計図面一式
👉 一案件で数十種類になることも珍しくありません。
もちろん申請手数料もかかります
神奈川県の場合、面積や申請用途によって変わります
【単位:円】
開発面積 自己居住用 自己業務用 その他
──────────────────────────
0.1ha未満 8,600 13,000 86,000
0.1~0.3ha未満 22,000 30,000 130,000
0.3~0.6ha未満 43,000 65,000 190,000
0.6~1.0ha未満 86,000 120,000 260,000
1.0~3.0ha未満 130,000 200,000 390,000
3.0~6.0ha未満 170,000 270,000 510,000
6.0~10.0ha未満 220,000 340,000 660,000
10.0ha以上 300,000 480,000 870,000
まとめ|開発許可は“調整型業務”の集合体
✔ 事前相談からスタート
✔ 条例手続きと近隣対応が同時進行
✔ 協議で設計が何度も変わる
✔ 道路・下水の別申請も必要
✔ 書類も知識も膨大
👉 開発許可は単なる申請業務ではありません。
実は並行して必要になる“関連条例手続き”にも注意
開発許可の手続きは、都市計画法だけで完結するわけではありません。
実務では、敷地面積や建築規模、計画内容に応じて別の条例手続きが同時進行で必要になるケースが非常に多いです。
たとえば、
- 一定規模以上で該当する 景観条例に基づく届出・協議
- 緑地確保が求められる 緑化条例(緑化協定・緑化計画書提出など)
- 農地転用許可
- 雨水流出抑制や調整池設置に関する 雨水浸透阻害行為許可
などが、開発許可と並行して走ることになります。
これらを見落としていると、
「開発許可は進んでいるのに、別条例が終わらず着工できない」
「後から条例に引っかかって設計をやり直す」
といった事態になりがちです。
開発手続きで本当に大変なのは、申請書を書くことではなく、
関係する制度をすべて洗い出し、同時並行で整理・調整していくことにあります。
当事務所では、開発許可だけでなく、
景観・緑化・まちづくり条例等の関連手続きを含めてワンストップで整理・対応しています。
「何が必要かわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

