農家住宅・農家分家住宅を用途変更して売却する方法【行政書士が解説】
調整区域や農地が絡む不動産でよく相談を受けるのが、
「農家住宅(農家分家住宅)って、このまま売れるの?」
という悩みです。
結論から言うと、そのままでは売却が難しいケースが多いですが、 用途変更の手続きを行うことで、売却できる可能性が広がります。
この記事では、
- 農家住宅・農家分家住宅とは何か
- なぜそのままでは売れにくいのか
- 用途変更して売却する具体的な流れ
- 注意点とよくある失敗
を、できるだけ噛み砕いて解説します。
目次
農家住宅・農家分家住宅とは?
農家住宅
農業を営む世帯が、自己の居住用として建築を認められた住宅です。 多くの場合、
- 市街化調整区域
- 農地転用許可を前提
として建てられています。
農家分家住宅
本家とは別に、
- 農家の後継者
- 分家する子世帯
の居住用として都市計画法にて特別に認められた住宅です。
いずれも共通して、「誰でも住める住宅」ではないという点が重要です。
なぜ農家住宅・農家分家住宅はそのまま売れないのか
理由はシンプルで、
- 建築・居住できる人が限定されている(農業従事者や、その親族)
- 都市計画法・農地法の制限を受けている
からです。
例えば、
- 農業をしていない一般の人
- 農家の要件を満たさない人
には、原則として居住が認められていません。
そのため、
「買いたい人がいても、法的に住めない」
という状況が起こります。
用途変更とは何をする手続き?
用途変更とは、
農家住宅(農家分家住宅) → 一般住宅(自己用住宅)
として使えるようにする手続きです。
これが認められれば、
- 農家要件のない人
- 一般のエンドユーザー
にも売却しやすくなります。
また、購入した方は都市計画法の手続きを行ってから建替えを行うこともできます。
用途変更して売却するまでの基本的な流れ
① 物件の条件確認
まずは以下を確認します。
- 建築時の許可内容(農家住宅か分家住宅か)
- 建築年・完了検査の有無
- 敷地求積図・建物規模(建物平面図や建物立面図といった当時の資料)
- 違反建築・増改築の有無
- 当該申請に係る住宅が建築から10年以上(自治体によっては20年)経過していること
ここが曖昧だと、用途変更が認められないことがあります。
※ほかにも細かい要件がございます。
② 用途変更の可否を役所に事前相談
都市計画課などに、
- 「用途変更は可能か」
- 「どの要件が必要か」
を事前相談します。
自治体ごとに運用が異なるため、この確認は必須です。
③ 用途変更の申請
問題がなければ、
- 都市計画法に基づく用途変更申請
- 必要に応じて農地法の整理
を行います。
図面作成や理由書が求められるケースも多く、 専門知識が必要になります。
④ 用途変更許可後に売却活動
用途変更が完了すると、
- 一般住宅として
- 通常の不動産売却
が可能になります。
不動産会社にも 「用途変更済み」であることの許可証があることを明確に伝えるとスムーズです。
よくある注意点・失敗例
❌ 先に売買契約を結んでしまう
用途変更が下りる前に契約すると、
- 許可が下りない
- 契約解除トラブル
につながることがあります。
❌ 増改築が無許可のまま
- 車庫
- 倉庫
- 離れ
などが無許可だと、 用途変更がストップすることがあります。
その場合、違反建築物のみ解体を行うといった作業が必要になることがあります。
❌ 「昔から住んでいるから大丈夫」と思い込む
過去の経緯より、 現在の法令・運用が判断基準になります。
行政書士に依頼するメリット
- 役所との事前協議
- 用途変更の可否判断
- 申請書・理由書・図面作成
- 不動産会社との連携
をワンストップで進められます。
特に調整区域の案件は、 最初の判断ミス=時間と費用のロスになりがちです。
まとめ|農家住宅・農家分家住宅は「用途変更」がカギ
- 農家住宅・農家分家住宅はそのままでは売却困難
- 用途変更で一般住宅として売れる可能性が広がる
- 自治体ごとの運用確認が重要
「この物件、売れるのかな?」と迷った時点で、 一度専門家に確認するのが近道です。
農家住宅・農家分家住宅の用途変更・売却でお困りの方へ
調整区域・農地絡みの案件は、 最初の判断がすべてです。
当事務所では、
- 用途変更の可否診断
- 役所協議(申請書・理由書・図面作成含む)
- 売却を見据えた手続き整理(不動産会社の紹介)
まで対応しています。
「これ、どうにかならない?」 そんな段階でもお気軽にご相談ください。


