市街化調整区域でも建築できるケースとは?~「原則建てられない」けど、例外は意外と多い~

「市街化調整区域の土地は建物が建てられない」
こう聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

確かに、市街化調整区域は市街化を抑制するための区域であり、原則として建築は認められていません。
しかし、一定の条件を満たす場合には建築が可能となるケースもあります。

この記事では、
市街化調整区域でも建築できる代表的なケースについて、分かりやすく解説します。


市街化調整区域とは?

市街化調整区域とは、都市計画法に基づき
「無秩序な市街化を防ぐため、市街化を抑制すべき区域」として指定されたエリアです。

そのため、

  • 原則:住宅や店舗などの建築は不可
  • 例外:法律・条例で認められた場合のみ建築可

という扱いになります。


市街化調整区域でも建築できる主なケース

① 農家住宅(自己用住宅)

農業を営む方が、自ら居住するための住宅を建てる場合です。

主な要件例(自治体により異なります)

  • 農業従事者であること
  • 農地を継続して耕作していること
  • 規模や用途が自己居住用であること

※第三者への賃貸や転売を前提とした建築は認められません。


② 分家住宅・親族居住用住宅

既存集落内などで、
親族が居住するための住宅を建てるケースです。

よくある条件としては、

  • 親族関係が明確であること
  • 線引き(市街化区域と市街化調整区域に分けること)前から所有していた土地であること
  • 自己居住が前提であること

「実家の近くに家を建てたい」という相談は、このケースに該当することが多いです。


③ 既存宅地・既存建築物の建替え

線引き(市街化区域と市街化調整区域に分けること)前から住宅等が建っていた土地で、
同一用途・同規模程度で建替えを行う場合です。
※神奈川県では昭和45年6月10日に線引き

ポイントは、

  • 過去に適法な建築がされていたこと
  • 線引き前から現在に至るまで宅地として利用されていたこと

古い家を壊して新築する場合でも、
条件次第で建築が可能となることがあります。


④ 開発許可を要しない建築(都市計画法第34条関係)

都市計画法第34条では、
市街化調整区域でも例外的に認められる建築が定められています。

代表例:

  • 公益上必要な建築物(診療所、福祉施設 等)
  • 日用品店舗(条件付き)
  • 既存事業の拡張施設

※内容は非常に専門的で、事前協議が必須です。


⑤ 自治体条例による緩和(いわゆる「条例区域」)

市町村独自の条例により、
一定区域では建築を認めているケースもあります。

例:

  • 既存集落内での住宅建築
  • 人口減少対策としての住宅建築

同じ市街化調整区域でも、
自治体ごとに扱いが大きく異なる点が重要です。


注意点:調整区域の建築は「事前確認」がすべて

市街化調整区域の建築可否は、

  • 都市計画法
  • 開発許可基準
  • 各自治体の条例・運用
  • 農地法

が複雑に絡み合います。

「建築会社に聞いたら大丈夫と言われた」
「不動産屋が建てられると言っていた」

このようなケースでも、
実際には許可が下りないことも珍しくありません。


まとめ

市街化調整区域でも、以下のような場合は建築が可能です。

  • 農家住宅・分家住宅
  • 既存宅地の建替え
  • 法令・条例に基づく例外建築

ただし、農地転用が出来るかどうかなど、個別判断が非常に重要な分野のため、
計画段階での専門家への相談が欠かせません。


市街化調整区域のご相談はお任せください

当事務所では、

  • 市街化調整区域の建築可否調査
  • 開発許可・建築許可に関する事前協議
  • 図面・申請書類の作成

などを行っております。

「この土地、建てられるの?」
といった初期段階のご相談も歓迎です。
お気軽にお問い合わせください。