隣地越境物と開発許可 ― 勝手に壊せないという落とし穴
開発許可や宅地造成の手続きを進める際、意外と問題になるのが「隣地越境物」です。
ブロック塀や擁壁、基礎などが境界を越えて設置されているケースは珍しくありません。
普段はそのままでも問題にならないことが多いですが、開発行為の場面では話が変わります。
■ 開発では越境物の是正を求められることが多い
都市計画法に基づく開発許可では、区域内の土地や構造物の状況が厳しく確認されます。
越境物がある場合、
- 撤去
- 是正
- 位置の整理
を求められるケースが多いのが実務の現実です。
市町村によっては「その部分を区域から外せばよい」という扱いをすることもありますが、
多くの場合は整理が前提になります。
■ ここで問題になるのが「誰が壊せるのか」
越境物を是正する場合、単純に
「うちの敷地に入っているから壊します」
という判断はできません。
たとえ自分の敷地内に入り込んでいても、その構造物が隣地所有者の所有物である場合、勝手に撤去することはできません。
ここで必要になるのが、
- 隣地所有者の承諾
- 施工同意書
です。
■ 施工同意がないと手続きが止まる
開発許可申請の審査では、
- 越境物をどう処理するのか
- 誰の責任で撤去するのか
- 隣地の了解は得られているか
といった点が確認されます。
施工同意が得られていない場合、
計画が前に進みません。
越境物は物理的な問題であると同時に、
「権利関係の問題」でもあるからです。
■ 放置すると将来トラブルの種になる
越境物は、
- 売買のとき
- 相続のとき
- 建替えのとき
に必ず話題になります。
開発行為を行うタイミングは、
境界や越境状態を整理する良い機会でもあります。
実務上も、
是正しないと許可が難しい
協議が整わないと進まない
というパターンが多いのが実情です。
■ まとめ
隣地越境物は、
- 勝手に壊せない
- 隣地の承諾が必要
- 開発手続きでは整理を求められることが多い
という点が重要です。
開発許可を検討する際は、
早い段階で隣地との協議や承諾の可能性を確認しておくことが、手続きを円滑に進めるポイントになります。
当事務所では、事前相談の段階で越境物の有無や権利関係を確認し、
必要に応じて施工同意書の取得も含めた整理方法をご提案しております。

