開発許可やまちづくり条例に該当する事業は「確定測量」が必須?
開発許可やまちづくり条例に該当する事業を行う場合、
「確定測量って絶対に必要ですか?」
とよく聞かれます。
結論から言うと――
法律上、必ずしも“事前に確定測量をしなければならない”とは限りません。
ただし、実務上は“ほぼ必須”と考えた方が安全です。
目次
■ 原則:確定していなくても申請は可能?
理論上は、境界未確定の状態でも申請自体は可能です。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
■ ① そもそも事業面積が正しく出せない
開発許可や条例手続では、正確な求積図が必要です。
境界が確定していない状態で、
- 古い測量図を流用する
- 登記簿面積をそのまま使う
というケースも見られますが、
実際には、
- 隣地との食い違い
- 越境
- 面積の差異
が生じている可能性があります。
境界が確定していないのに、正しい事業面積は算出できません。
■ ② 完了検査で詰まる可能性
開発許可や条例の完了検査では、
外周の境界点が設置されているか確認されます。
その際、
- 隣地所有者と揉めて境界標が入れられない
- 境界標が紛失している
- 立会いが成立しない
といった状況になると、
検査に合格できない可能性があります。
工事が終わってからトラブルになるのが一番痛いパターンです。
■ ③ 道路が未確定だと区域が決まらない
特に注意が必要なのは「道路境界」です。
道路との境界が確定していないと、
- 事業区域が確定できない
- セットバックの位置が決まらない
- 帰属面積が確定しない
結果として、
区域設定自体ができません。
■ ④ 道路後退がある場合は要注意
開発後退、条例後退、建築基準法上の後退(いわゆるセットバック)が発生する場合、
確定測量を行わなければ、
- 分筆ができない
- 後退部分の地積が確定しない
つまり、
確定していなければ、そもそも開発や条例手続にかけられません。
ここは特に注意が必要です。
■ 境界が決まらない場合はどうする?
中には、
- 隣地と長年揉めている
- 裁判をしても確定しない
といったケースもあります。
その場合は、市と協議のうえで
- 問題部分を残地として残す
- 係争部分を区域外とする
などの対応を検討することになります。
ただし、これは例外的対応です。
■ 結論:基本は「確定してから始める」
確定測量をせずに事業を進めると、
✔ 面積トラブル
✔ 境界トラブル
✔ 完了検査不合格
✔ 分筆できない
✔ 工期遅延
など、トラブルの原因になります。
事業は、境界を確定してから始めるのが原則です。
■ 当事務所の考え方
当事務所では、
- 土地家屋調査士と連携をして境界状況の確認、確定作業
- 境界未確定地のリスク説明
を行ったうえで、手続きを進めています。
開発許可や条例手続は、
「面積がすべての出発点」です。
見切り発車はおすすめできません。

