開発許可における「一連性の判断」とは?神奈川県の1年ルールと周知文提出を解説

開発許可や造成計画を進める際に注意が必要なのが
**「一連性の判断」**です。

特に神奈川県では、

  • 過去の開発履歴
  • 申請時期
  • 隣接地の利用状況

によっては、予定している開発が

一体の事業(=一連の開発)

と判断される可能性があります。

この記事では、

  • 一連性とは何か
  • 神奈川県の1年ルール
  • 周知文提出とは
  • 実務上の注意点

を解説します。


一連性とは何か

開発許可における一連性とは、

本来一体として行うべき開発行為を、複数に分割して行っていないか

という行政判断です。

例えば、

  • 先に小規模造成を行う
  • 後から隣接地を追加造成する

といった場合、

行政は

最初からまとめて開発する計画だったのではないか

と判断することがあります。

このような場合、複数の計画は「一連の開発」とみなされます。


なぜ一連性が問題になるのか

開発許可制度には、

  • 面積要件
  • 道路・公園基準
  • 技術基準

など様々な規制があります。

もし開発を分割することで許可要件を回避できてしまうと、制度の公平性が保てません。

そのため行政は、

実質的に一体の事業かどうか

を確認しています。

これは市街化調整区域だというよりは、市街化区域でおきやすい事例です。


神奈川県の判断基準(手引きの考え方)

神奈川県の実務では、一連性判断において主に次の要素が考慮されます。

  • 申請者、工事施行者又は設計者のいずれかに同一性があるもの
  • 元々の土地利用が同じで、残地を残して事業計画した場合
  • 開発目的の同一性
  • 時期の近接性
  • インフラ計画の関連性

つまり、

事業として連続しているかどうか

を総合的に判断します。


「1年縛り」とは

神奈川県の手引きでは、

都市計画法による開発許可による場合、工事完了公告がなされたとき

であれば隣接地での土地利用を図っても、問題ありません。

ですが一部の市では

先行する開発行為が開発許可を受け、工事完了公告後1年間経過した後に行う開発行為(大和市)

いわゆる

「1年縛り」

です。

例えば、

  • 半年前に隣地で造成
  • 今回追加で造成

といった場合は、一連と判断されることになります。



周知文提出とは何か

神奈川県の開発許可実務では、

残地を残して土地利用を計画する場合、

周知文の提出を求められます。

周知文とは、

今回、あなたの土地利用計画については隣接残地を利用しないとのことですので、開発行為の一連
性については今回申請された面積で判断しました。
したがって、今回利用する土地が、一定の条件下の状態になる以前に隣接残地で土地利用を行う場合は、
原則として、今回利用の土地を含めた開発許可申請が必要となりますので相談して下さい

といった説明を残地所有者に説明しましたという報告文です。


市街化区域でよくある一連性認定パターン

実務で多い例としては次のようなものがあります。

分譲の段階施工

先に数区画を造成し、開発の完了公告前にその後隣接地を追加造成するケース。

面積要件の回避

許可対象面積未満に分割して開発の完了公告前に造成するケース。

名義変更による分割

法人と代表者個人など名義を変えて申請するケース。

行政は実質判断を行うため、形式的な分割は通用しないことがあります。


一連と判断された場合の影響

一連と認定されると、

  • 面積が合算され、先に行っている工事又は完了済みの土地を含めた土地利用とみなされる
  • 許可要件が変わる
  • 計画の見直しが必要
  • 再申請になる可能性

など、事業スケジュールに大きな影響が出ることがあります。


一連性リスクを避けるポイント

重要なのは初動です。

  • 事前に役所へ相談する
  • 土地取得計画を整理する
  • 開発履歴を確認する
  • 計画を分割しない

特に神奈川県内では、

過去1年以内の土地利用履歴の確認

が重要になります。


まとめ

開発許可における一連性とは、

本来一体の開発を分割していないかを判断する仕組み

です。

神奈川県では、

✔ 1年以内の関連開発は要注意
✔ 周知文提出で説明を求められることがある
✔ 市街化区域での重要な判断要素

計画段階で適切に整理することが、スムーズな許可取得につながります。


ご相談について

当事務所では、

  • 開発許可の事前可否判断
  • 一連性リスクの検討
  • 周知文作成
  • 開発許可申請一式

まで対応しております。

宅地分譲や造成計画をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

※本記事で解説している一連性の判断や周知文提出の取扱いは、主に神奈川県が開発許可事務を所管している区域における運用を前提としています。
横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・藤沢市・茅ヶ崎市・平塚市・厚木市・大和市など、開発許可事務を行っている市では運用が異なる場合がありますのでご注意ください。