宅地造成は必ず開発許可が必要?― 不要になるケースもわかりやすく解説 ―
「宅地造成=必ず開発許可が必要」と思われがちですが、
実はすべての宅地造成で開発許可が必要なわけではありません。
この記事では、
- 開発許可が必要な宅地造成
- 開発許可が不要になる宅地造成
- よくある勘違いポイント
を整理して解説します。
目次
そもそも「宅地造成」とは?
一般的に宅地造成とは、
- 切土・盛土
- 擁壁の設置
- 排水施設の整備
などを行い、土地を建物が建てられる状態にする工事を指します。
ただし、
👉 宅地造成=開発行為
👉 宅地造成=必ず開発許可が必要
というわけではありません。
開発許可が必要になる宅地造成
宅地造成で開発許可が必要かどうかは、
都市計画法上の「開発行為」に該当するかで判断されます。
開発行為とは?
都市計画法第4条第12項
主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う
土地の区画形質の変更
つまり👇
「建物を建てる目的で土地の形を変えるかどうか」がポイントです。
開発許可が必要になる代表例
- 建物を建てる前提で
- 高さ2mを超える切土又は高さ1mを超える盛土
- 30㎝を超える切盛土の面積が500㎡以上となる行為
- 道路などの公共施設を含む土地を分筆し、従来の敷地の境界の変更を行う行為
- 農地や山林等宅地以外の土地を建築物の敷地の用地とするもの
- 市街化調整区域で建築を前提とした造成
※ 面積要件や細かい基準は自治体ごとに異なります
開発許可が不要な宅地造成(重要)
次に、意外と多い「開発許可が不要なケース」です。
① 建築を目的としない造成
たとえば👇
- 農地の改良
- 駐車場・資材置場としての整地
- 一時的な土の移動
👉 建築目的でなければ、開発行為に該当しないため
開発許可が不要になることがあります。
※ ただし、盛土規制法や農地法、まちづくり条例といった他の許認可が別途必要な場合があります。
② 既存宅地・宅地内での軽微な造成
- すでに宅地として使われている土地
- 高低差が小さく、整地程度の造成しか行わない場合
- 同じ敷地設定での計画
👉 「土地の区画形質の変更」とまではいえない場合
開発許可不要と判断されるケースがあります。
③ 規模が小さい造成(市街化区域)
市街化区域では、
- 面積が一定規模未満(500㎡未満の場合)
については
開発許可が不要とされている自治体が多いです。
④ 開発許可ではなく「盛土規制法 ※旧宅地造成等規制法」のみ対象
- 崖地の近く
- 一定規模以上の切土・盛土
この場合👇
- 開発許可は不要
- ただし 盛土規制法の許可・届出は必要
というケースもあります。
👉
「開発許可はいらない=何も手続きがいらない」
ではないのが要注意ポイント。
※盛土規制法に該当するとまちづくり条例に該当するケースもございます。
よくある勘違い
❌「造成工事をする=開発許可が必要」
→ 目的・規模・場所次第
❌「建築確認が下りるなら造成もOK」
→ 造成許可が先、建築確認が後です
❌「業者が大丈夫と言ったから大丈夫」
→ 最終判断は自治体
まとめ
- 宅地造成=必ず開発許可が必要、ではない
- 建築目的かどうかが最大の判断ポイント
- 開発許可不要でも、別の許可・届出が必要なことが多い
- 自治体ごとの運用差が非常に大きい
行政書士としての実務アドバイス
造成計画で一番危険なのは👇
「工事してから許可が必要だったと分かり、その工事が法令違反であった」こと。
- 開発許可が必要か
- 盛土規制法だけで足りるか
- そもそも建築できる土地か
は、事前調査がすべてです。
法令に合っているかどうかは、条文だけを見ても判断が難しく、自治体ごとに運用が異なるケースも少なくありません。
当事務所では、個別の状況を丁寧にヒアリングし、法令・条例の確認から手続きまで一貫して対応いたします。
判断に迷う段階からでも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。


