60条証明とは?― 市街化調整区域での建築確認前に整理すべき重要ポイント ―

市街化調整区域で建物の新築や建替えを行う場合、

「60条証明が必要です」

と言われることがあります。

しかし実際には、

  • 必ず必要なわけではない
  • 市町村によって扱いが異なる
  • 43条許可との違いが分かりにくい

というのが実務の実情です。

この記事では、60条証明の基本と神奈川県内での運用について解説します。


■ 60条証明とは?

60条証明とは、
都市計画法第60条に基づく証明制度です。

簡単に言うと、

「この建築行為は都市計画法上の許可を必要としません」

ということを行政が証明するものです。

つまり、

  • 開発許可が不要
  • 43条許可が不要

であることの“確認”を受ける手続きです。


■ どんなときに使われる?

最も多いのは、
市街化調整区域での建築確認申請前です。

調整区域では原則として建築はできません。

そのため、

  • この建築は許可が必要なのか
  • それとも許可不要なのか

を整理する必要があります。

許可が不要なケースで、その整理結果を示すのが60条証明です。


■ よくある対象例

① 既存建築物の建替え

  • 線引き前から存在する建築物
  • 適法に建築された既存住宅

など、一定要件を満たす場合は許可不要となることがあります。


② 農家住宅の建替え等

要件を満たせば、
43条許可ではなく60条証明で整理できる場合があります。

※ただし運用は市町村ごとに差があります。


■ 43条許可との違い

ここは混同されやすい部分です。

60条証明43条許可
性質許可不要の証明許可を取得する
判断既に認められている行為例外的に認めてもらう行為
手続きの重さ開発事前相談が必要審査がある

つまり、

60条は「確認」
43条は「許可」

という違いがあります。


■ 神奈川県内での運用について

神奈川県内でも、60条証明の扱いは市によって異なります。

実務上の整理としては、

  • 相模原市では、建築確認申請時に60条証明の提出が求められます。
  • それ以外の県内市町では、必ずしも添付が必須とはされていません。

そのため、

「確認申請に60条証明は必要ですか?」

という質問がよくあります。


■ “必要かも”と言われた場合の対応

建築確認を提出する際に、

  • 建築指導課
  • 民間の確認検査機関

から

「都市計画法の整理はできていますか?」
「60条証明は不要ですか?」

と確認されることがあります。

その場合は、

開発許可の事務処理窓口(都市計画課等)に事前相談を行い、
その結果を確認してもらえば足ります。

必ずしも形式的に60条証明を取得しなくても、
事前相談で許可不要の整理がついていれば問題とならないケースが多いのが実務です。


■ 実務で本当に大事なこと

60条証明で重要なのは“書類”そのものではありません。

重要なのは、

  • 既存建築物が適法か
  • 過去に違反がないか
  • 増改築や用途変更の履歴はどうか
  • 都市計画法上の立地基準に適合するか

を事前に整理しておくことです。

ここが曖昧なまま確認申請を提出すると、
途中で手続きが止まる原因になります。


■ まとめ

市街化調整区域での建築では、

  • 60条証明で整理できるのか
  • 43条許可が必要なのか
  • そもそも建築が可能なのか

この初期判断が最も重要です。

※神奈川県内でも市町村により運用が異なります。必ず事前確認を行いましょう。

当事務所では、事前相談段階から都市計画法上の整理を行い、
行政との協議も含めてサポートしております。

調整区域での建築計画は、着手前にぜひご相談ください。