自費工事申請では市道と県道・国道で何が違うのか
建築や開発行為に伴い、歩道の切下げや側溝の改修、ガードレールの撤去などを行う場合、道路管理者の許可を得て申請者負担で工事を行う手続きが必要になります。
これが「自費工事申請」です。
道路の種類によって、必要図面・審査内容・工事費用・期間が大きく異なります。
目次
■ 市道の場合(市が道路管理者)
市道は各市町村が道路管理者です。
手続きの流れ
- 事前協議
- 図面作成
- 申請提出
- 許可
- 工事着手
- 完了届
- 写真検査(開発の場合は現地検査)
必要図面(一般的な例)
- 位置図・区域図
- 土地利用計画図
- 構造図
- 横断図
- 求積図 など
期間の目安
- 事前協議+図面作成:約2週間
- 申請〜許可:約2週間
▶ 合計:約1か月程度
市役所内で完結するため比較的スムーズです。
舗装構成も標準的な仕様で足りるケースが多く、工事費用も県道・国道と比べると抑えられる傾向があります。
■ 県道の場合(都道府県が道路管理者)
例えば神奈川県内であれば、道路管理者は
神奈川県(土木事務所) です。
県道になると、求められる資料と審査レベルが一段上がります。
追加で求められることが多いもの
- 道路軌跡図
- 詳細な横断構成図
- 舗装構成図(交通量区分に応じた厚さ)
特徴
- 舗装構成が厚くなる(交通量区分による)
- 構造基準が厳格
- 警察協議が必要になる場合あり
- 競合工事の占用許可(水道やガス)との整理が必要な場合あり
- 本庁確認が入るケースあり
期間の目安
- 事前協議:約2〜3週間
- 申請〜許可:約3〜4週間
▶ 合計:1.5〜2か月程度
警察協議が入る場合はさらに期間を要します。
また、舗装構成が厚くなる分、道路工事費用も市道より高額になりがちです。
■ 国道の場合(国が道路管理者)
国道はさらに審査が厳格です。
管理者は
国土交通省
または地方整備局となります。
主な追加事項
- 道路軌跡図
- 詳細な構造計算
- 厳格な舗装構成基準
- 交通量を考慮した設計
- 警察との交通規制協議
特徴
- 技術審査が非常に慎重
- 交通処理計画の完成度が求められる
- 競合工事の占用許可(水道やガス)との整理が必要な場合あり
- 工事方法について細かい指示が入ることも
期間の目安
- 事前協議:約1か月以上
- 申請〜許可:約1か月以上
▶ 合計:2~3か月以上かかることも珍しくありません。
特に交通量の多い幹線国道では、警察協議・工程調整に時間がかかります。
■ 市道と県道・国道の決定的な違い
| 項目 | 市道 | 県道 | 国道 |
|---|---|---|---|
| 管理者 | 市町村 | 都道府県(土木事務所) | 国(国道事務所) |
| 必要図面 | 標準的 | 詳細図面多数 | より高度 |
| 道路軌跡図 | 原則不要(場合により添付) | 原則必要 | 原則必要 |
| 舗装構成 | 比較的薄い | 交通量区分で厚い | さらに厳格 |
| 警察協議 | 稀(市町村により必要) | 場合により必要 | 必要になることが多い |
| 期間目安 | 約1か月 | 1.5〜2か月 | 2か月以上 |
■ よくある誤算
- 市道と同じ感覚でスケジュールを組んでしまう
- 警察協議を想定していない
- 舗装構成を甘く見積もり、工事費が増額する
- 道路軌跡図の作成に時間がかかる
県道・国道案件は「余裕を持った工程」が前提です。
■ 当事務所の対応
当事務所では、
- 現地調査
- 道路種別の確認
- 事前協議代行
- 必要図面作成
- 警察協議対応
- 道路管理者との折衝
まで一括対応しております。
市道なら約1か月、
県道・国道の場合は2か月程度を見込んで、早めのご相談をおすすめします。
道路が変われば、戦略も変わります。
まずは「この道路は誰が管理しているのか」から確認することが重要です。

